時制と共に用いられる相(aspect)で時間空間の位置を把握せよ

投稿者: Auther | 3 年, 4 ヶ月 前 | 0 のコメント


英語の動詞は主語の状態や動作を表すが、詳細に叙述するには「時制(テンス)」に加えて「相(アスペクト)」という概念が非常に大切である。

時制は前回説明した通り二つだが、アスペクトは3つある。時制ではなく、アスペクトで理解することで、完了形と進行形の意味がよりはっきりと理解できる。

単純相:全体が均質で安定感があると捉えられる

進行相:途中を表す 動詞 + ing 動画的

完了相:動詞が表す最終段階(have + -ed)

単純相

どこを切っても同じものが出てくるイメージ。

I usually go to shool by bus.

習慣的に起こるような場合に使う。

進行相

動詞 + ingのコアイメージは始まりと終わりがある事柄が目の前で生き生きと動いているような状況使われる。そこから未完了、始まりと終わり、変化、強調などの意味合いを含ませることができる。このイメージを持っておけば動作の長いliveのような単語の現在形と進行形の使い方が良く理解できる。

I'm living in the apartment.

I live in the apartment.

日本語に直すと同じ意味だが、進行相は一時的(始まりと終わりがハイライトされる)という意味合いをはらんでいる。ウィークリーマンションやマンスリーマンション形態の契約であれば進行相が使われがちである。短時間に同じことが起こるflashでは、The light flashよりThe light is flashingの方が、短時間に何度も転倒しているイメージをビビッドに伝えることができる。このように始まりと終わりを意識させ、その中で起こっていることを動画的に伝えることができる方法が進行相である。

完了相

have + -ed のコアイメージは -edの状態を今も保持(have)しているということである。つまりこれは現在を表現した形である。次の例を見てほしい。

① I lost my key.

② I have lost my key.

①はカギをなくしたという事実を語っているだけ(今は見つかったかもしない)に対し、②はカギをなくしたという状態が今も続いているという状態を持っている(have)ことを表している。このようにhave以下の動詞の最終状態に今なっているという状況を表した現在を表現したものが完了形の正体である。

ここで時制と相の関係を用いた表現方法をまとめておこう。現在形と過去形という2つの時制を基本にして、それに相や助動詞が加わることで様々な表現が可能になる。例として、伝統的な時制と呼ばれる文法形態に当てはめてみる。

                       

過去 現在 未来
単純相 did do will do
進行相 was doing is doing will be doing
完了相 had done have done will have done
完了進行形 had been doing have been doing will have been doing

時間の流れを図解すると

tense

このようにすれば時制の概念は大変単純だということがわかる。動いているか、止まっているか、そしてどの時間軸にいるかをイメージできればどのタイプを使うか自ずと決まる。参考書を何時間も眺めてチンプンカンプンだったことが瞬時に理解できる。普通のスペックの人間でもやり方、覚え方さえ工夫すれば身近な天才ぐらいには十分勝てるのだ。

以下のドリルをやればさらに完璧になる。あえて英語は使わない。

Q1.息子は、妹と一緒にテレビゲームをしています。(進行形) → 現在完了進行形に

A1.幼稚園から帰ってきてから息子は、(ずっと)妹と一緒にテレビゲームをしています。

過去のある時点の情報を加えたことで、始点が明確になり、かなり長い時間続けているというニュアンスを暗に出すことができた。現在時点でゲームは終了していないが、終了すべきというニュアンスが出ている。

Q2.息子は、妹と一緒にテレビゲームをしています。(進行形)→ 過去完了進行形に

A2.ゲームを止める前に、息子は、妹と一緒にテレビゲームを3時間していました。Q1と比べると全体の時間軸が一つ昔にパラレルシフトしたのがわかります。こちらも終了すべきというニュアンスを暗に含んでいます。

Q3.20年この町に住んでいます (現在完了形)。 → 未来完了形に

A3.来月でもう20年この町に住んでいることになります。

I will have lived in ths town for 20 years. 100%自分が信じていることをwillという助動詞を伴って現在形で話している。

基本的に過去を表すときは基準軸を持たなければならないので、一つの単純な文だけでは言い表せない。基準軸に対して比較するもう一つの軸がどこにあるのかを示し、その時間の経過をあるニュアンスを伴って表現する場合が多い。未来の場合はあくまで予測という視点を表現する助動詞(willなど)を伴えばいいだけなので、単文で表すことができる。基準軸はあくまで現在という暗黙の了解がある。基準軸が過去にあって、その軸を中心に未来を述べるというパターンは現在の軸を無視することになり、表現方法として無理がある。

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