英語学習方法の検証

投稿者: Auther | 3 年, 5 ヶ月 前 | 0 のコメント

巷にある英語学習方法、あればいい、これがいい、そして様々な教材。。。ないよりはあるほうがいいですが、実力を向上させてくれるものはほとんどありません。私がこのサイトや教材づくりを始めたのはそんなところに一石を投じたくて始めました。しかし、言い尽くされた方法や教材を私がいまさら私が語る必要はありません。ここでは敢えて、長距離、特にマラソンの練習方法に当てはめながらその効果を検証したいと思います。

陸上経験のない方には前提知識が必要なため、いわゆる長距離の練習方法とそのやり方を簡単に紹介します。ちなみに私は走歴としては2年半ほど。大会等には出たことがないので実力のほどはまだ未知数ですが、サブスリー(マラソンで3時間を切ること)に近いレベルにいると思います。サブスリーの速さは1キロメートルを4分15秒、時速にすると14キロほどかと思います。ジムでトレッドミルをやられる方は時速を指定する必要があるので、14キロの体感速度をなんとなくはご存知かと思いますが、普通のトレーニングレベルの方だと数分で息が上がってしまうでしょう。このレベルではかなり音が出るため、私がトレッドミルを走る時は傾斜を6%~15%にして、時速を7キロ~12キロに落としてトレーニングします。ジムでこのレベルで走っている人にまだ出くわしたことはありませんが、市民ランナーのトップレベルの方だと通常の練習強度かと思います。ちなみに走る前に足をガンガン筋トレして疲労させています。

さて、長くなってしまいましたので、マラソンの練習方法をここで紹介します。

 
レペティション
全力疾走と休憩の繰り返し
インターバル
全力に近い疾走とジョグの繰り返し
練習強度
ビルドアップ
徐々にスピードを上げる、最後全力で
ペース走
一定ペースでできるだけ長く走る
ジョグ
普通に走るよりやや遅い心地よいペースで
 
LSD (long slow distance)
ほぼ歩くようなスピードで

これから走ってみようと思う人であれば、きつい練習を嫌ってジョグやLSD中心の練習メニューを組み立てるでしょう。ゆっくり走れば毛細血管が活性化するとか、足づくりがどうかなど驚くべき効用がどのサイトでもまことしやかに書かれており、一見その信憑性は高そうに思えます。

では実際にはどうでしょうか。私の経験からすると、練習強度の高いレペティション、インターバル、ビルドアップ以外ははっきり言ってやってもほぼ意味はないと思います。距離を伸ばしたところで、時間と怪我のリスクを高めるだけです。要は、強いインテンシティがないと技術やフィジカルは向上しないのです。

【私の場合】

最初の一年はなんとなく通勤ランから長距離のトレーニングを始めました。トレーニングとしては、いわばジョグだったと思います。往復10キロの道のりでしたが、ある程度は効果がありました。キロ5分半、体重は80キロから75キロぐらいには落ちたと思います。TOEICで言うところの600点ぐらいでしょうか。特にマラソン大会にでようとかそもそも早くなろうなどと考えていなくて、単なる運動として認識していたので、トレーニング効果を特に求めてはいませんでしたが、今から考えると一年あればもっと運動機能を向上させられていたと思います。それなりに体力が向上したのはそれまで筋トレぐらいしかしていなかったので、伸びしろが多分にあったのでしょう。しかしそれから半年はほとんど体力的な向上は感じられませんでした。

走歴二年目を超えるようになりなんとなく走る自信がついて頃です。子供が生まれ、妻からの早期帰宅要請が激しくなりました。電車通勤よりも早く走らないと通勤ランを咎められるようになり、信号以外、全速力で帰るようなりました。するとどうでしょう。今まで30分程度かかっていた片道5キロの道のりが、20分前半まで伸びてきたのです。信号待ち以外は全力疾走です。マンションの玄関前で毎日のようにゼイゼイハアハア言っていました。このときかなりフィジカルの向上を感じられ、もっと真剣に取り組んでみようと思うようになりました。実力的にはTOEIC700点ぐらいだと思います。

この時サブスリーペースで走れるようになって、大会を意識するようになり40キロを走り切れる体を求めるようになりました。TOEIC700点ぐらいになった時に、800点欲しいな、その世界はどんなものだろうと想像してわくわくしませんでしたか?まさにそのような気持ちで真剣にトレーニングをするようになりました。トレーニングは通勤ランにプラスして週末に25-30キロのペース走を入れることで長距離耐性を高めようとしました。ところがどうでしょう。このトレーニングを開始して3か月たったころ、捻挫していないのに捻挫しているような症状が出始め、走っているとき常に違和感が出るようになりました。それでも続けていると足首に腱鞘炎を発生し、その後約3か月ほどは痛みでまともに走ることができなくなってしまいました。大きな後退です。英語学習では怪我のリスクはありませんが、能力の向上が感じられなくなるとやる気が減退してしまい、プラトーな期間を経験することがあります。実力は階段のように...などと説明されることが多いですが、はっきり言って嘘です。3か月で何か変化を感じ取れなければ練習方法が間違っていると考えてよいでしょう。それは英語学習であれマラソンのトレーニングであれ同じです。

それからというもの、怪我無く速く走るにはどうすれば良いのか真剣に体と向き合い、様々なブログやサイト、本を読み知識を蓄えました。そして様々なランニングフォームを試し、それぞれのランニングフォームでどこの筋肉が使われるのか確かめ、必要な筋肉を筋トレで着実に増やし、その筋肉を遅筋に変えるため、走る時にその部分を意識して走るようにしました。考えながら、そして体と対話しながら走るため、イヤホンは捨て去りました。筋肉を酷使しながら走るので当然練習はレペティションのみです。休憩しないともう走れないのです。ゆっくり走ってもその部分(臀部とハムストリング)は使えないため、ペース走などはやめました。この練習方法を実践してからは怪我もなく、また強度の高い練習のみでトレーニングを組み立てられるため、日々体力の向上を感じられます。体重は74キロから66キロまで減りました。このまま続ければ、目標とする2時間40分切りも不可能ではないと感じています。

余談ですが、痩せようとしてランニングを始める人は多いと思います。BMIが22ぐらいだと一日5キロも走れば5キロぐらいはすぐに落ちると思います。ただそれ以降はきっと落ちません。距離を長くして一日10キロにします。多分数キロ落ちるかもしれませんが、人によっては太っていくこともあるかもしれません。ある研究データで明らかにされましたが、40歳なら心拍を160ぐらいの強度で40分程度走らないと脂肪燃焼効果はほとんどないと言われています。つまりウオーキングやジョギングを何時間やろうと痩せるということに関してはほぼ無意味です。逆に筋肉を減らし、太る可能性があります。巷で言われている常識では強い運動より弱い運動を続けるほうが脂肪燃焼効果が高いと言われ、それを信じて実践している方は多いと思います。確かに弱い運動の方が脂肪を燃焼する割合は高いです。しかしそれはあくまで割合であって、燃焼総量で見たとき、強い運動に比べて弱い運動は脂肪消費量は圧倒的に低く、痩せるという現象を起こすほどの効果はありません。もし、痩せましたという人がいればそれは食べなかっただけです。食欲を上回るカロリーを消費するには高強度の運動をせざる負えません。これが結論であり、常識は間違っています。

ここで何が言いたいかというと、技術であれ体力であれ、向上させるためには相応の負荷がないと突き抜けたレベルにはならないということです。英語でもTOEIC900点越えともなると、達成者が上位3%であり、それは突き抜けたレベルです。私は達成していませんが、留学したことによりアウトプットの部分を多分に鍛えられたため、レベル的には遜色ない、それ以上のレベルに到達できたと思っています。逆に言えば留学していなかったら100%不可能でしょう。多くの英語学習者で、勉強することを習慣化させることができた人でもおそらくこのTOEIC700点あたりでスコアの伸びが停滞し、ズルズルと時間だけが過ぎ去っていくとになると思います。このレベルを突き抜けるには相当のインテンシティの高いトレーニングをしなければ無理でしょう。

ここで、マラソン練習と英語学習の比較をしてみます。

レペティション
アウトプット(スピーキング、ライティング)
インターバル
原文を覚える
ビルドアップ
リピーティング
ペース走
音読
ジョグ
テスト用の勉強、単語覚え
LSD (long slow distance)
多読、多聴

自分の経験ではこのようになります。皇居なんかを走っている人を見るとほぼ全員ジョグ、LSDの類の練習ばかりに見受けられます。実際サブスリーレベルのランナーは男子で上位3%と言われています。東京マラソンにどれほど多くの人がエントリーするでしょうか。それだけの参会者がいるにも関わらず、サブスリーで走る人は限られています。理由は簡単、皆さん練習強度が低すぎるのです。英語も同じです。練習強度の低い多読、多聴、試験勉強をしてもある程度のレベルからは一向に技術は向上しません。強度の低い練習をいくら積んでもそれが体に残っていくことはありません。あるのは疲労という満足感だけで、疲労が抜けた後はトレーニング前の自分がいるだけです。英語も同じで、いくら多読多聴をしても記憶として何も脳に残せないため、ただ消耗しただけで終わりです。楽しんでやっているんだというマヤカシ・言い訳に屈するのであればそれはそれで構いません。自己責任です。多くの人がこの言葉に騙され、無駄な努力を継続することになります。テスト勉強も同じである程度やれば問題慣れするだけで真の英語の実力がつくことはないでしょう。自分のレベルにあった最適なトレーニングを常に意識し変えていく必要があります。私は最終的には留学までしないと英語を実践レベルでマスターできないと思っています。それも1,2年のような短期、また語学留学のようなお遊びではなく、学位取得、現地で働くぐらいの最終目標を持たなければなりません。なぜならアウトプットこそ能力の伸ばす唯一の練習方法だからです。

次のコラムではどうすれば英語を極められるのか、失敗した側の一素人ですが、その分ビジネスを抜きにしたマジの考え方をお伝えしたいと思います。私は英語学習を続けてもらうことに意義は感じていません。やめることも立派な選択だと思います。だから何かを売るためにコラムを書き、啓発するようなことはしません。ただただ事実や真実から目を逸らさないだけです。

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