2023年1月末現在、絶賛批判を浴びている岸田首相だが、「育休中のリスキリング」これは本当に良い機会であり、活用しない手はないと思う。かつて実践した者として。
私の場合は、当時ウェブ開発のPMとして働いていたが、前職ではデータサイエンティストであったため、全く未知の世界であった。それに加え、40過ぎのオッサンが職場に行ったところで、手取り足取り教えてくれるメンターもおらず、しょうもないロゴ変更などというバカげた作業を続けているような日々であった。
そのような中、子供が1歳を過ぎ、ある程度自分の意思を持つようになり手がかかるようになった。この時点で私は何の迷いもなく育休を申請した。もちろん育児をしたいためではなく、勉強したいがためであった。1歳の子供を午前中非認可保育園に預け、帰ってきて昼寝が終わるまでの7時間ほどを勉強時間にあてたのだ。その時間でウェブの仕組みをほぼ学んだ。単に本を読むのではなく、自分でウェブサイトを2つ作り、DBと画面表示のイロハを学びきった。その一つがまさにこのサイトである。
育休をとると年収面では大分下がる。賞与はなく、かつ一年とるとすると約7割ほどの月給しか収入がなくなる。加えて非認可保育園が5万/月かかるわけだ。これはかなりの出費とみていい。私の場合は200万ほどの支出があったこととほぼ同額である。
しかし私の場合は、その価値は何倍もあったといっていいと思う。育休からかえって読んだドキュメントと行く前に読んだ同じドキュメントがまるで違うものかのようにその理解度が圧倒的に増した。その後は営業とPMを掛け持ち、顧客に本当に必要なシステムは何なのか深く考える知識が身についた。そして取得後即、転職し、またそこでも100万程度の年収アップを可能にし、転職後1年半たった現在、44歳にして引くてあまた、年収も200万程度のアップが見込めるところまで到達することができた。正直もはや職を失うかもしれないというにプレッシャーはゼロである。これまでは他の社員にどう思われているか、仕事は回してもらえるだろうか、暇にならないだろうか、このような不安をどこかに抱きながら仕事をしていた自分がいた。しかしもはやそんな心配はしなくてよい。言いたいことを言い、必要な年収を求める、このような自由と自信はは爽快である。
育休中のリスキリングは大いにすべきだが、その時間を有効活用できる人物がどれほどいるか。これははっきり言ってほとんどいないと思う。意味のない資格試験の勉強をしてやった気になった人間が増えるだけだろう。だから育休をとるならある程度の出費は覚悟すべきである。かつその出費に対するリターンがあるのか。リターンがあると思えば何としてとらなくてはならない。最低限転職は覚悟すべきである。居場所はほぼなくなると思っていい。今、それほど必要とされていない状態なら。
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