肝心なことをなぜか言わない日本の教育 - 歴史編①

投稿者: Auther | 3 年, 3 ヶ月 前 | 0 のコメント

私は歴史に関しては得意だった方だが、いまいち教科書を読んでも腑に落ちないことが今から考えるといくつかあった。歴史が不得意という人もいるが、これは出来事を暗記と捉えてしまうことによるものが大きい。英語も同じである。単語、熟語、文法の暗記科目と捉えると絶対に平均点を大きく超えるような実力は身につかない。その意味でも、教科書はさっさと捨てるべきである。教科書は要所をつまみ食いしているだけで、少しでも異論があるような事であれば、問題を避けるために意図的にそういった説明を避けているはずである。そうすると物事の深い理解ができず、暗記に頼ってしまう。暗記を避けるにはなぜそうなったかを経緯を含めて書いているような書物を使うことが重要だ。昔と違い今はこの隙間を多様なブログがあり、うまい説明をしてくれているので、自分で検索して調べてみるのも良い勉強となろう。

歴史に関して私が疑問だった、というより若干認識が違ったのは江戸時代の外様大名と譜代大名の違いである。教科書では「関ヶ原で東軍だったのが譜代大名なんだ」と教えている。そうは書いていないかもしれないが、少なくともそう習ったことは覚えている。外様はいつ裏切るかわからない、信用ならないから幕府から常に見張られ、江戸から遠い場所に領地を持たせられ、譜代大名に周りを囲まれていた、というような認識で教わった。今もこのように認識されている人も多いのではないだろうか。

このような認識は全く間違いである。譜代大名とはもともと徳川家の家臣だったものが、徳川が天下を取る過程で恩賞により大名に格上げされたもので、外様大名はもともと大名だったものである。関ケ原云々は全く関係ない。有名な譜代大名に井伊家(井伊直弼)や本田家(本田忠勝)などがあるが、元から家康の家来で臣従していた者たちである。一方外様はお客様という意味合いであり、合戦の時は味方になるはずの大名である。ちなみに最も大きな違いは、譜代大名は幕府の役職に就くことがあるが、外様はまずない、というのが通例である。これを覆したのが大政奉還であり、各藩の合議制による政治体制を導入した。

また、外様大名は参勤交代という役目を担わなければならないが、譜代大名にはない。これは何も譜代大名が優遇されているわけではなく、役目の違いである。外様大名は幕府に税を取り立てられることはなく、自由に領国を収めることができる。そこで得られる収入は全て自分が獲得できるのだ。一方で幕府に対しては、江戸を守るという役目を負っている。これが兵隊を引き連れて参勤交代をする理由である。ちなみに「交代」というのはそれぞれの外様が交代で番をするということである。江戸の警護だけではなく、どこかの治水工事なども担当することがある。このようなことは譜代大名はやらない。譜代大名は江戸幕府内部の何らかの役職に就き、仕事をしなければならない。このように江戸時代は地方分権が確立された時代であった。

したがって、外様と譜代の違いは主に幕府の役職につく家なのか、そうでないのかが一番の違いである。外様は幕府にとってはお客様なのだ。親藩も実は外様と同じ扱いで、幕府に口出しできない。親戚筋が政治に絡むことで起きる混乱を避けたのだ。

このように何故そういう体制になったかを知ると、その時代の背景が分かり全てがつながってくる。これが理解という言うものであり、暗記とは真逆の勉強方法だ。

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