最近は鬼滅の刃というアニメがはやりらしい。グロと主人公が強くなって敵を倒すというジャンプ特有の世界観があるらしい。とはいえ、40にもなるとこの手の漫画・アニメに全く照準が合わない。また、子どもが小さいため、まだ興味を持っていないため、いまだに情報から隔離されている。
このように、漫画もアニメもほとんど見なくなって久しいが、本当に見るべきもの、見た方が良かったものは大分見逃している。最近ハマったものは「サムライチャンプルー」と「カウボーイビバップ」である。どちらも渡辺信一郎が監督をしている。アニメ監督と言えば宮崎駿や富野由悠季あたりが有名だが、その他の監督というと全く無知だということに気が付いた。メディアの露出はどうしてもこの二人が席巻してしまっている。しかし、知るべきは和渡辺信一郎の方だ。どちらのアニメにも共通しているのが「音楽とアニメの融合」である。サムライチャンプルーではLOFIーHIPを取り入れ、そのキレのある音楽と主人公の戦い方が見事にマッチしている。カウボーイビバップはブルースやJAZZが多用されている。一件派手さが無い分、面白みの要素として欠けてしまうと感じていしまうかもしれないが、ところがその哀愁のような情景がまさに登場人物の背景や境遇と重なっている。
どちらも共通しているのが、海外でカルト的な人気を誇っていることである。ドラゴンボールやドラえもんはどちらかというとアジアで人気があるが、欧米ではいまいちだし、ある程度の年齢になって幼稚臭いジャンプコミックス系の漫画の話をするのもどうかと思う。その点この二作品なら話としてすごく盛り上がる話題になると思う。
欧米人と話すには話題は重要である。一般的に日本のことを知らないと、日本について聞かれたとき応えられない、だから日本の文化を知ることは重要などという意見に英語学習をしていると何度か出くわしたことがあると思う。しかしそれは本当だろうか。実際は日本なんて大して知られていないし、興味なんてそもそもないのが現状である。あるのは偏見という見下された文化理解ぐらいである。そこへ、寺や神社、相撲の話をして何になるというのであろう。火に油を注ぐようなものだ。
重要なことは自分が自信をもって話せる、かつ相手がそれを知って「すごい」と思わせられるかである。この二つが無いとただのおしゃべりでは何も面白くない。ともに熱くなれる話題があってこその友達である。留学すると、ルームメートが普通にいる環境で、一緒にいる時間も長くなる。そんなときこのような欧米にも受けるアニメを知っていると一緒に見る時間を共有でき、とても楽しい時間を過ごせるだろう。格安オンライン英会話で何の共通点もなくただビジネス会話を繰り返す空白の時間とは比べ物にならない。内容も完璧に理解できるだろうから、相手の質問にも難なく答えられる。
簡単な作品紹介をすると、カウボーイビバップは過去にそれぞれ傷をもつ賞金稼ぎのグループの話である。物語が進むうちにその過去がゆっくりとページをめくるように明らかになっていく。この悲しい情景がブルージーでジャジーなのである。ちなみに賞金はお尋ね者を捕まえるともらえる。声優陣がすばらしく、山寺宏一、若本規夫など豪華で決め台詞がうまくはまっている。宇宙で物語が展開されるので宇宙船が出てくるが、変な変形とかはしないのでご安心。サムライチャンプルーはブレイクダンスの動きを殺陣に取り入れたハチャメチャなタイプの主人公と、対照的に居合のような一瞬の動きを連続させる切れで剣を振るうもう一人のサブの主人公が喧嘩をしつつ、それをなだめすかしながら旅の目的を果たそうとする少女の物語である。こちらも登場人物にそれぞれ影があり、その因縁めいたものを解決しながら旅をするという爽快感もありつつ、同情もしてしまうという大人テイストになっている。カウボーイビバップはWOWWOW、サムライチャンプルーは2004年放送なので、私のように40ぐらいだとまだ知らない人も多いのではないだろうか。仕事子育てと行き着く暇もない人が多いと思うが、青春時代の忘れ物を取りに行く感覚で是非時間のある時にどうぞ。
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