洋楽、洋画、海外ドラマといったものが身近になり、英語教材自体にはこまることはなくなった。しかしそれによって日本人の英語能力が向上したという事実はない。つまり全く使いこなせていないのだ。私も一時期、日本語と英語字幕を併記させて、何度も洋画を見ていた。分かった気にはなれるが、実力がついたとは言えない。
発音記号で発音練習して気が付いたことだが、自分が英文をみて発音するやり方と、発音記号で読む発音は全く違うということだ。LとRだけなく、様々なアやエの音、エイ、オウなどその違いに全く意識を持っていなかった。つまり、正しい英語の発音をいくら聞いたところで、日本語というフィルターをどうしてもかけてしまう以上、微妙な英語の音が同一化してしまい、いくら練習してもその違いが聞き取れないという問題があることが分かった。
英語は単語のつなぎ目が無く、リダクションが起こる、という類の書籍は見かけるが、あの手のものを勉強したところであまり意味は無いと思う。なぜならパターンが単語単語で異なるため、その組み合わせは千差万別になり、具体例をいくら積み重ねたところで脳が抽象化してパターンを生み出せるかというとそれは無理だと判断できるからだ。
私が考える聞き取る、ここでは聞き分けると言った方が正しいかもしれないが、その方法は、ひたすら発音記号で音読するというやり方が良いと思う。まずは英文を見ないで、発音記号だけで英文を想像する。これがかなり難しいと思う。難しい場合は英文に戻って考えてみる。そこでその単語の正確な発音方法を知る。そして全体を発音記号だけで正確に早く読めるようになるまで音読。音源があったとしてもある程度その英文になじむまで聞かなくてもよい。自分が正確に発音できると自信を持ってから聞くことで、さらに正解との差をはっきりと認識できる。
発音記号で音読することでもう一つ気が付いたことがある。それは、正しい発音で早く話すためには、舌の動きがダイナミックになり、また口の横の部分が日本語で話すよりも広げると話しやすいということである。これはネイティブが話している感覚とかなり近い。洋画などで確認するとよくわかる。下の動きがダイナミックになるのは、LとRを発音する時に気が付いた。一般的にLは舌を歯につけて発音すると教えられるが、そうではなく、舌を歯にぶつけるのである。Rの場合は思いっきり舌を引き込む。それが音の違いを作り出す。
このように、発音記号で音読することで、正しい英語の音感覚が自分の中にしみ込んでくる。この間隔こそ英語上達のカギである。漫然と英語の勉強をしていても上達すればするほど、その効果は減少してくる。常に問題と向き合い、その解決法を自分で探らなければならない。その姿勢は何を行う上でも同じだ。
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