ライティングの場合、進行形をとる場合と現在形をとる場合の違いについて考えこんでしまったことはないだろうか。liveなどは動作が長い間続いているので現在単純形が使われる場合が多いと思うが、living という形でも頻出する。リーディングやリスニングだけの学習をしていると見過ごしてしまいがちであるが、英語の意味を正確に読み取れるようになるには非常に大切な概念である。
現在単純系のコアイメージ:
事態の始まりと終わりは意識されず、どこをっても均質なイメージ
現在進行形のコアイメージ:
事態の始まりと終わりが意識され、現在、始まりと終わりのあることの途中と捉えられるイメージ。一時的で生き生きと動いている感覚がある。
人がある動作を「はじめと終わり、そして今その途中である」と捉える場合、進行形で表現する。一方、人が「その状態はいつでも同じで、任意のどの時点でも均質である」と捉える場合、現在単純形で表現できる。客観的に見て全ての動作自体には始まりと終わりがあるのだが、それを言語化する人間が、始まりと終わりを意識して捉えるか、同じことをいつでも起こるとという均質な面を捉えるかで、現在進行形を使うか、現在単純形を使うかが決まる。
単純形)酒を飲む(習慣がある)
進行形)酒を飲んでいる途中
単純形)自動車学校に(何年も)通っている(期間限定という意識がない)
進行形)自動車学校に通っている(数か月という期間が前景化されている)
自動車学校のように短期の場合は基本的には進行形が使われる
単純形)大学に(4年)通っている
進行形)(留学生として一定期間)通っている
大学に4年間通うという期間を前景化するより、毎日通っているという事実を多くの人は意識するので、単純系が主に使われる。一方で進行形は短期間何らかの理由で通うことになっているときに使う。
単純形)アパートに住んでいる
進行形)建て替えの期間、(一時的に)アパートに住んでいる
進行形を使う場合は、一時的に住んでいるという状態が前景化されるために、その理由が共有又は明示されていないと不自然になる。ネイティブの中にはliveで進行形が使われると、掃除や洗濯など生活する具体的なイメージが浮かぶ人もいるようだ。
know,speak,promise,apologize,appreciate
これらは現在単純形と特に相性が良い動詞である。なぜなら、発話に必要な時間と事態の展開が一致しているからである。knowは動詞に安定感があり、常に継続しているイメージがある。発話時にピックアップされた事態は、均質なサンプリングといえ、発話に必要な時間とサンプリングされた事態の展開に必要な時間は一致していると考えられる。
speakの場合は能力を意味する場合が多いので、全体として安定的なイメージがあり、発話に必要な時間とサンプリングされた事態の展開に必要な時間は一致している。promise,apologize,appreciateは発話行為そのものが約束や謝罪をする行為になっているので、発話に必要な時間とサンプリングされた事態の展開に必要な時間は一致している。
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