動詞によって後の節に不定詞をとるか動名詞をとるか選択基準は一般的に知られていない。こういう場合はすべて記憶せよ、ということになっている。メカニズムの背景を理解しないままの記憶など何の役にも立たない。
この二つの違いを理解するには全く正反対の意味の動詞を見比べてみると理解できる。
I encouraged my child to study Mathematics.
I discouraged my wife from chaning the job.
encourage,discourageの意味は正反対だが、肯定、否定の違いであり、その使用法が違うのは不思議だ。
しかし双方の状況を考えれば納得がいく。動詞の原形を用いる意味は「まだ行われていない」ということである。「to」のイメージは何だっただろうか。「ある方向に向かって到着」である。子供が数学の勉強をするという行為はまだ行われていないが、その行為は薦めた(向かわせた)というのが正確なイメージである。
一方で「discourage」のb場合は転職をする準備自体はすでに行われており、その行為をやめさせようとした、である。この場合その行為はまさに今行われていることである。「ing」の意味は途中であり、まさにこの状況をうまく説明できている。
このような微妙なニュアンスを捉えてこそ、英語の上級者としての資格を持てるかどうかの基準となる。
- He is going to London to study English.
- I don’t have time to sleep.
- Our plan is to build a new house.
どれもまだ実現されていない。だからto 不定詞が用いられている。
一方で、ingが用いられる場合は、動詞以下の情報がすでに実現されていることを表す。
- I enjoy listening to music.←すでに実現している[日常的に音楽を聴いてる]
- I finished reading a book. ←すでに実現している[読んじゃった]
- I stopped watching TV. ←すでに実現していたことをやめる
discourageの場合fromが用いられるのは、こちらへ引き戻すイメージがあるからである。toが向かわせることに対する反対の意味を表している。
余談だが、不定詞と動詞-ingの違いに言及したリソースはそれなりにあるが、fromを伴った説明をしているサイトや書籍は少数である。to不定詞に対応するのはfromを伴った場合のみである。toはあくまで前置詞であり、それに対応する前置詞はfromなのである。この二つを比較すべきである。
from -ingのバージョンは主に、prevent,keep,stopなどがある。
現在コメントはありません