学校文法ではany:否定・疑問文、some:肯定文、ということになっている。こういう無味乾燥なルールを教えらても英語が面白いと感じる生徒はいないだろう。最悪なのはこのわけ方が100%正しいわけではなく、あくまで一般的な話というだけである。
正しいsome と anyの理解は
some:話者の中で具体的なイメージが存在するが、そこにぼかしがかかっている感じである。要は、すべては当てはまらないという感覚があるということである。
any:someとは逆に具体的なイメージはなく、聞き手は何をイメージしても良いという意味を持っている
(例) Do you have any brothers ?
お兄ちゃんいたっけ?(兄弟の情報を全く知らないという意味を含んでいる)
Do you have some brothers ?
お兄ちゃんいましたよね?(以前兄弟の情報を聞いていたような気がするという意味を含む)
この微妙なニュアンスを表現するのがsomeとanyの違いであり、決して肯定文、否定文、疑問文というカテゴリに収まるような話ではないのである。
多くの人はeverの訳し方に困ったことはないだろうか。「今までに」などと一般的には訳されるが、この理解では当てはまらなパターンに多々遭遇することになる。しかし学校文法では現在完了形でeverは使われないとルール付けされているからだ。しかしこういった使われ方は一般的である。
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学校文法によくある否定文、疑問文では使われるが、肯定文では使われないなどというカテゴライズは無意味である。そのような捉え方ではなく、コアのイメージをしっかり持とう。everのコアイメージは
at any time (いつのことでもいいんだけど) : 細かい時間を限定しない
である。このイメージを持てば下記のような文でもスムーズに理解できる。
If you are ever in Osaka, come and see me. (いつでも)ぜひお立ち寄りください
If I ever catch you doing something dirty, I’ll slap you. (いつでも)あなたが何か良くないことをしているのをみかけたら
Things are better than ever. (どの時点より)状況は好転している
We both liked the idea and have been working on it ever since. (それ以来)ずっと取り組んでいる
もっとも初期に習う単語である。そしてこの時から英語の理解がずれているのである。恐ろしい。英語においてYes/Noとは単なるマーカーであり、次に続く語が否定か肯定かを知らせる符号なのである。否定疑問文の受け答えでしばしば日本人を惑わすことになるが、要はこれが理由だったのだ。日本語のハイ、イイエはそれ自体に肯定、否定の意味を持っている。しかし英語にこの意味は含まれていない。したがって、Yesの場合は肯定文が、Noの場合は否定文が続くのである。
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